導入
飲食店の集客手法はここ数年で大きく変化しました。特にSNSの普及により、**「インフルエンサーによる集客」**が急速に広がっています。
実際に、人気インフルエンサーが訪問しただけで予約が殺到し、数ヶ月先まで満席になる飲食店も少なくありません。
一方で、インフルエンサー施策にはリスクもあります。フォロワー数だけに頼った失敗事例や、炎上、費用対効果の問題など、正しく活用しなければ逆効果になることもあります。
本記事では、飲食店がインフルエンサーを活用して集客効果を最大化する方法と、事前に把握すべき注意点を徹底的に解説します。開業準備中の方も、既存店の集客を強化したい方も必読の保存版です。
飲食店におけるインフルエンサー活用の現状
SNS集客の中心にインフルエンサーがいる
現在、飲食店に影響力が強いSNSは以下の通りです。
プラットフォーム | 特徴 |
---|---|
写真映え・来店動機づくりに最適 | |
TikTok | 動画によるバズ効果が爆発的 |
YouTube | 飲食系レビュワーが影響力大 |
X(旧Twitter) | 短期バズ拡散力は依然強い |
これらのSNS上で、**「実際に来店・食事して感想を投稿するインフルエンサー」**が重要な集客経路になっています。
インフルエンサー集客が有効な飲食店の特徴
- 新規オープン店
- 高単価・体験型業態(焼肉・寿司・フレンチ等)
- 映える内装・料理プレゼンテーション
- 季節メニュー・イベント打ち出し時
インフルエンサー施策の具体的な効果
① 認知拡大(最短で多くの人に知られる)
開店告知・リニューアル時に認知を一気に広げる手段として有効。
一般的な広告よりも拡散性が高く、友人知人への波及効果も期待できる。
② 来店動機の形成
「美味しそう」「行ってみたい」と感じさせるリアルな投稿が、来店動機に直結。
広告よりも信頼性・共感性が高い。
③ SNS投稿素材の自動生成
店舗側が自社投稿に使える高品質な写真・動画素材が手に入る。
④ SEO・MEO効果の補完
インフルエンサー投稿がGoogle検索・Googleマップの評価にも間接的に影響する。
成功するインフルエンサー施策のステップ
ステップ① ゴール設定を明確にする
- 開店告知 → 認知拡大重視
- 高単価訴求 → 質の高いファン獲得重視
- 平日閑散期対策 → 特定曜日来店促進
👉 目的によって依頼すべきインフルエンサー像が変わる
ステップ② インフルエンサー選定
選定基準 | 推奨水準 |
---|---|
フォロワー数 | 5,000〜10万人程度(中小規模で十分) |
エンゲージメント率 | いいね・コメント率が3%以上 |
実際の来店経験があるか | 事前来店済なら尚良し |
投稿ジャンル | グルメ特化型がベスト |
👉 「フォロワー数」よりも「反応率」「実食経験」を重視
ステップ③ 契約条件の明文化
- 報酬(現金・食事提供のみ・交通費)
- 投稿本数・写真枚数・動画尺
- 投稿タグ・位置情報記載の有無
- 投稿期限・公開継続期間
- 不測の炎上時の対応責任
👉 契約書面化が必須(後述します)
ステップ④ 撮影環境の準備
- 撮影用照明の用意
- 店内BGM調整(著作権注意)
- 混雑緩和(貸切推奨)
- 店長・料理長の簡単な挨拶も効果的
ステップ⑤ 投稿後の拡散支援
- 店舗公式SNSでのリポスト
- Googleビジネスプロフィールへの引用掲載
- 店内POPで紹介
注意すべき5つのリスクと対策
① フォロワー数詐欺
購入フォロワーやBOT利用の偽装アカウントも存在
👉 対策:第三者分析ツールでアカウント健全性を確認
② 炎上・誤解投稿
不適切な表現・事実誤認で風評被害リスク
👉 対策:投稿前確認権を契約に明記
③ PR規制違反
景表法改正により広告表示義務が厳格化中(PR、提供明記必須)
👉 対策:PR表記を明文化し、インフルエンサー教育も行う
④ 継続集客に繋がらない
一時的にバズってもリピート客に繋がらないケース
👉 対策:常連客化施策とセットで実施
⑤ 他店とのイメージ重複
複数店舗を短期間で紹介するインフルエンサーだと希少性が薄れる
👉 対策:独占期間・優先紹介契約を提案する
インフルエンサー契約時に使える契約書雛形項目
項目 | 内容例 |
---|---|
契約期間 | 撮影日〜○ヶ月間 |
対価 | 現金報酬○円、食事代無料 |
投稿条件 | 1投稿以上、5枚以上の写真、30秒以上の動画 |
表示義務 | PR、提供表記必須 |
内容確認権 | 投稿前に店舗確認必須 |
著作権 | 店舗の自社利用を許諾 |
免責事項 | 炎上時の対応責任整理 |
👉 可能なら弁護士監修の雛形活用を推奨
成功事例:実際に効果が出た飲食店の施策例
ケース① 新規開業のラーメン店(X活用)
- 地域密着型グルメインフルエンサー3名へ依頼
- オープン初日から整理券配布 → 行列がSNS拡散
- 地元メディアにも波及 → 3ヶ月予約満席
ケース② 焼肉高単価店(Instagram活用)
- 食通フォロワーを抱える5万人規模インフルエンサーへ依頼
- 撮影照明・料理プレゼンに力を入れる
- 予約導線にDM対応窓口を用意 → 客単価3万円でも満席続く
ケース③ 定食屋(TikTok活用)
- 学生中心のグルメTikTokerへ依頼(フォロワー2万人)
- 食べ放題メニューの「爆食」動画がバズ → フォロワー1万人増加
- テイクアウト売上も増加
実際に活用できるインフルエンサーキャスティングサービス
※実在するサービスに限定
サービス名 | 特徴 | 公式URL |
---|---|---|
toridori marketing | 中小飲食店向けマイクロインフルエンサー紹介に強い | 公式サイト |
SPIRIT(スピリット) | 業種特化型のキャスティング可能 | 公式サイト |
Tagpic(タグピク) | Instagram系インフルエンサー強み | 公式サイト |
よくある質問
Q. フォロワー何人以上からインフルエンサーと呼ぶ?
A. 厳密な定義はありませんが、マイクロインフルエンサー(1万人前後)でも十分効果的です。むしろ過剰な大規模インフルエンサーよりも費用対効果が高い場合が多いです。
Q. 食事提供だけで依頼するのはアリ?
A. アリですが、条件は相手次第です。
駆け出しインフルエンサーなら食事提供のみも成立しやすい。人気者は現金報酬が必要になる傾向。
Q. インフルエンサー経由で炎上したら誰が責任取る?
A. 契約時の免責・対応方針明記が重要です。
法的責任は原則インフルエンサー側だが、店舗名が出る以上、店舗側も危機管理は必要です。
まとめ
インフルエンサー施策は、飲食店の新規集客・話題化・リピーター獲得を大きく後押しする有効手段です。
ただし「フォロワー数の多さ=成果」ではなく、戦略設計・契約条件・投稿内容管理が成功のカギとなります。
専門のキャスティングサービスも活用しつつ、SNS時代の店舗ブランディングに上手く組み込んでいきましょう。
“適切に管理されたインフルエンサー活用”が、中長期的な繁盛店作りに繋がります。
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