給与設計の工夫で離職率が下がった焼鳥店の事例

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はじめに|人が辞めないお店には“理由”がある

人材不足が慢性化する飲食業界。特に個人経営の飲食店では「良い人材が定着しない」「店長が毎回ゼロから育て直している」といった声が絶えません。
しかし一方で、給与設計の工夫ひとつで離職率を大幅に改善した焼鳥店も存在します。

本記事では、給与・インセンティブの設計で実際に離職率が半減した事例をもとに、制度構築の具体的手順と、導入にあたっての注意点を解説します。


背景|なぜスタッフは辞めてしまうのか?

金銭的な理由だけではない「離職の本音」

飲食業の離職理由の上位には以下があります:

  • 労働時間と給与が見合わない
  • 将来が見えない・昇給が不透明
  • 評価の基準があいまい
  • 店長やオーナーとの関係が希薄

つまり、「頑張っても報われない」「成長が感じられない」ことが最大の離職要因です。


実例紹介|焼鳥店「とり八」が行った給与改革

東京都・練馬区の焼鳥店「とり八」では、スタッフ6名(社員3名+アルバイト3名)の運営体制を取っていましたが、
2022年時点では年に2回以上スタッフが辞める状態が続いていました。


ステップ1|現状の課題をヒアリングで可視化

オーナーはまず、匿名アンケートをスタッフに実施。主な声は以下のとおり:

  • 「もっと頑張りたいが、何をすれば評価されるかわからない」
  • 「昇給の話があっても、いくら上がるのか不透明」
  • 「社員になると仕事量ばかり増えてメリットがない」
  • 「評価より“好き嫌い”で決まっている気がする」

「明確な基準がない給与設計」が最大の問題でした。


ステップ2|給与テーブルと評価指標をセットで導入

導入内容

項目内容
基本給テーブル業務レベルに応じて4段階(例:接客・調理・仕込み・指導ができるなど)
能力評価半年ごとにオーナーと副店長によるチェックリスト評価
インセンティブ制度月売上に応じたインセンティブ(達成率80%以上から支給)
勤続ボーナス半年で+5,000円、1年で+10,000円、以後は年数に応じて加算
アルバイト昇給制度ポイント制で1つのスキル習得ごとに+30円(MAX1,200円まで)

📌 制度はジョブカン勤怠管理sharinなどの無料クラウド評価ツールを活用し、紙管理からデジタルへ移行


ステップ3|運用方法と浸透のための工夫

1. 半年ごとの面談制度

  • 自己評価シート記入
  • 店長と1on1面談で「強み・課題・目標」を共有
  • 昇給理由や未達理由も丁寧にフィードバック

2. 給与明細にコメントを添付

  • 毎月の給与明細に「今月の良かった点」「次月の期待点」を添えるように変更
  • 評価が“見える化”され、スタッフの安心感が向上

3. 「指導者手当」の導入で中堅が育つ

  • 新人を1ヶ月間指導したら、指導者には+5,000円の報酬
  • 指導内容はチェックリスト化し、評価項目として残るように

ステップ4|結果として現れた“定着率”の変化

項目改善前(2021)改善後(2023)
離職率(社員)50%(年2名)0%(2年間継続)
離職率(アルバイト)60%20%
勤続年数平均7ヶ月1年5ヶ月
昇給回数(年平均)1回未満1.8回

スタッフの離職が減り、採用コストや教育コストがほぼゼロに
売上も月次で+15〜20%の安定成長に繋がったそうです。


よくある質問(FAQ)

Q. 給与制度を変えるとき、反発はなかった?

A. 最初は「やることが増える」と不満もありましたが、評価基準が明確になったことで納得感が高まりました。“納得できる仕組み”にすることが重要です。

Q. 小規模店でもこうした制度は必要?

A. むしろ「人が辞めたら営業が回らない」個人店こそ重要です。人数が少ないからこそ、明文化されたルールと評価基準が安定運営を支えます。

Q. 導入コストはかかりますか?

A. 基本は無料ツールで導入可能です。面談やチェックリストもGoogleフォームやスプレッドシートで十分。重要なのは**“見える化と継続”**です。


まとめ|人が定着するお店は「制度」で育つ

  • 離職の原因は“給与の低さ”ではなく、“給与に納得できないこと”
  • 給与テーブル・昇給条件・評価軸をセットで整備することが肝
  • 定着率が上がれば、採用・教育コストが削減され、利益が安定
  • AIやクラウドツールの活用で、個人店でも制度構築は可能

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この記事を書いた人

ヒロさんのアバター ヒロさん 代表取締役

ヒロ(Hiro)
元システムエンジニア。現在はIT企業の代表として、AIと飲食の融合に挑戦中。
小さい頃から飲食が大好きで、親と共に数々のレストランを巡って育ちました。
趣味は料理で、時折自ら主催する「ヒロさん会」では友人たちに手料理を振る舞っています。
六本木の知る人ぞ知る名店ワインバー「バロンルージュ」には15年間通い続け、現在はバロンルージュのオーナーシェフがいる銀座の「WineBar Le Domrémy」の常連です。
このブログでは、飲食業界の皆様がAIを使いこなし、経営と現場の両面で楽になる情報をお届けしています。

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